海外からお困りのご相談でした

先日ある方からのご紹介でご相談いただきました。

 

現在アメリカ、ハワイ在住の男性です。

20年程前に治療した差し歯が土台から折れてしまい、現地ハワイの複数の歯科医院で数回処置を重ねたそうです。度々治療中の仮歯が外れてしまい満足に食事がいただけなかったそうです。

これ以上現地での治療は困難とのご自身の判断で治療の為帰国されました。

 

初診時の前歯の様子がこちらです。

ちなみにこの仮歯、300ドルしたそうです。

 

レントゲン画像がこちらです。

 

既成ポスト(土台)が根の中の方で破折していました。

現状の仮歯では心棒が深くまで掘れない為に安定性に欠け仮歯がすぐにでも外れてしまう状態でした。見た目もあまり良くありません。

 

更にお話しを聞いてみますと、ハワイの先生の治療計画では、折れてしまった土台は除去せずに、歯肉を数ミリ切除し、歯根を出してからクラウンをセットするとの説明だったそうです。

 

他の日本人の先生の感覚でもそうだと思いますが、その先生がおっしゃる処置では維持が図れず早期にまた外れてしまう可能性が高く、根本的な解決にはならないと思いました。また、審美的にも問題です。

 

早速、破折した土台の除去を慎重に試みてみました。

若干の困難はみられましたが、想定より安全に除去することが出来ました。

それだけでもハワイではなし得なかったそうなので、ここまででも大変喜んでいただけましたが、日本ではこのぐらいの処置は割と普通に行われています。患者さんのお話しによれば、アメリカでは訴訟のリスク等もあり積極的な処置に繋がらない側面もあるようでした。

 

除去後のレントゲン画像がこちらです。

後にグラスファイバーで土台を再度構築しなおし型取りをしました。

新しいジルコニアのクラウンをセットした様子がこちらです。

本当は根の治療や歯周病の治療も出来ると良かったのですが、ハワイに戻るまで1週間しか時間がなく、患者さんのご希望もあり新しいクラウンをセットし、噛み合わせのチェックをして治療を終えました。

通常は完成までにお日にちをいただくジルコニアのクラウンでしたが、院内の技工士が3日で仕上げ、イレギュラーではありましたが診療室とスムーズに連携がとれ、患者さんも大変喜んでいただけてハワイに戻られました。

 

今回気付かせていただいたのは、技術的な問題もありますが、国が違えば文化や習慣、言葉の問題もあり、また先生の考え方にもお国柄が出るのかもしれません。

私たちが日頃当たり前のように受けている治療にも、国が変わればそうでないこともあるんだと、思わせていただいた症例でした。

 

当院の治療内容についてこちらを参照してください。

 

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